ジュノーの概要

木星の謎を解く

ジュノーは、木星の誕生と現在に至る過程を解明することで、太陽系の起源を理解を進めることができます。

具体的には...
・木星の大気にどのくらい水分が含まれているのか解明します。それにより木星の形成についての理論が正しかったのかがわかります(あるいは新たな理論が必要になります)。
・木星の大気の 組成、温度、雲の動きや他の特性を奥底の方まで測定します。
・木星の磁力場、重力場を測定し地図にすることで、木星の内部構造を明らかにします。
・木星の極近傍の磁力場や、特に北極と南極にのオーロラを観測し、解析することで、木星の強大な磁力場が大気にどのような影響を及ぼしているのかを解明し、今まで知りえなかった見方を提供することができます。

巨大惑星の木星を理解することは、太陽系を理解することでもある

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Artist concept of Juno
Credits: NASA/JPL-Caltech

ジュノーの主要な目標は、木星の起源と進化を理解することです。木星の分厚い雲の下には、木星を形成したプロセスや私たちの太陽系でも同じであるはずの条件を覆い隠している秘密が横たわっているのです。巨大惑星の観測の最初の例になる木星は、他の星の周りで発見された惑星系の理解をするために重要な知識を提供してくれるのです。

ジュノーは搭載している科学計測装置のセットで、天体の固体の核の存在を調査し、木星の強い磁場のマップを作成し、深い大気中の水とアンモニアの量を測定し、木星のオーロラを観測します。

ジュノーは、どのように巨大惑星が形成され、太陽系の残りの部分を作るのにいかなる役割を果たしたのかを理解するのに、大きな前進をもたらしてくれることでしょう。

木星の起源と内部構造

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Artist concept of a young star system similar to our own.
Credits: NASA/JPL-Caltech

原始太陽の形成を含めた太陽系の形成についてのT.パイル(SSC)理論は、ガスと塵、または星雲の巨大な雲の崩壊から始まります。太陽のように木星は主に水素とヘリウムで呼構成されているので、かなり早い時期に形成され、地球などができた後の残骸を全て吸収してるに違いありません。しかしながら、どのようなことが起こったのかはわかっていません。最初に強力な惑星の核ができて周りのすべてのガスを重力で取り込むのか、星雲内部の不安定な領域で崩壊が起こったのか、惑星の形成の引き金になるのは、どういう現象なのか?これらのシナリオの違いは深い謎のままです。

更に重要なことは、氷の微小天体や原始惑星の構成や役割が、地球や他の地球型天体の起源において、絶妙なバランスをとっていることです。氷の微小天体のようなものは、生命の基本構成物である水や炭素化合物を運んできてくれるのです。

地球とは異なり、木星の巨大な塊は、私たちの太陽系の歴史をトレースする方法を私たちに提供し、それは元の構図に保持することができました。

地球とは異なり、木星の巨大な塊は原始の時の状態を保持していて、私たちの太陽系の歴史をなぞる術を提供してくれます。ジュノーは木星の大気中の水とアンモニアの量を測定し、木星が固体の核を持っているのかを確認し、この巨大な惑星の起源を直接解決します。それはとりもなおさず太陽系についても当てはまることなのです。ジュノーは木星の重力場や磁場を地図にすることで、木星の内部構造を明らかにし、核の部分の質量を測定します。

大気

木星の深いカラフルなゾーンやベルト、およびその他の特徴はいかにしてできているのか?は、巨大惑星である木星の外観上の最も基本的な疑問の一つです。ジュノーが初めて木星の大気の全体構成と動きを明らかにしてくれるでしょう。それは外観になっている雲の表面から下の部分の、大気の組成、温度、雲動きを、前例のない深さまで調べて地図や図表にすることです。

磁気圏

木星の大気の深いところでは、大きな圧力を受けて、金属水素として知られる流体に押し潰されてしまいます。そのぐらいの深さのところでは、水素は導電性金属のような役割を果たし、そのことが木星の強い磁界の発生源になっていると信じられています。この強力な磁場環境において、荷電粒子が大気中を舞い降りてくる際に、私たちの太陽系で見られる光り輝くオーロラを作り出してるのです。ジュノーは、木星の極近傍で、直接荷電粒子と磁場を観測しますが、これは初めてのことです。この調査により惑星系を持つ若い惑星のような磁性体の様々な現象を理解することに驚くべき進歩をもたらしてくれることでしょう。
ジュノーの目的についてもっと詳しく知るには、ミッションのwebサイトをご覧ください。

ジュノーの神話にまつわるいわれ

  ギリシャやローマの神話では、木星はいたずらを隠すために、自分自身の周りに雲の覆いを描きました。木星の妻である女神のジュノーは、雲の切れ間から木星の真の姿を明らかにすることができました。探査機のジュノーもまた、雲の下で、見誤ること無く、木星の本当の大きさを確認し、構造や成り立ちを理解する助けになります。

ミッションの計画

 打ち上げ :2011年8月5日
宇宙空間での軌道調整:2012年8月/9月
地球の重力を利用したフライバイ :2013年10月
木星に到着 :2016年7月
宇宙船は20ヶ月(37軌道)木星を周回します
ミッション終了(木星への軌道から離脱):2018年2月
ジュノーは、NASAのニューフロンティア計画のもとで設計された二番目のミッションです。最初のミッションは、9年半の飛行の後に2015年7月に準惑星に到達した冥王星探査機のニュー・ホライズンズです。この計画は、ワシントンの国立研究協議会の宇宙研究会が行う十年規模の太陽系探査調査における最優先目標として位置付けられており、いくつかの中規模のミッションを派生させる機会をもたらすことが期待されています。
JPLのサンアントニオのサウスウェスト研究所のスコット・ボルトンが主任研究者として、ジュノーのミッションを管理します。ジュノーのミッションはニューフロンティア計画の一部として、アラバマ州ハンツビルにあるNASAのマーシャル宇宙飛行センターで管理されます。デンバーにあるロッキード・マーチン宇宙システムで探査機の機体を製造しました。打ち上げについては、フロリダ州のケネディ宇宙センターのNASAの打ち上げサービスプログラムが責任を持ちました。 JPLはパサデナのカリフォルニア工科大学の一部門です。

オリジナル原文ページ(英語):Juno Overview